活動報告詳細
- シネマクラブ報告 長谷川直子
平成29年2月15日 10名参加
ユナイテッドシネマ豊島園 にて「相棒 劇場版・Ⅳ」を鑑賞した。
7年前、英国の日本大使館で関係者の凄惨な毒殺事件が起こったが唯一の生き残りの参事官令嬢は、国際的犯罪組織バーズによって誘拐される。日本国政府に身代金を要求するが黙殺される。国に見捨てられた10歳の少女は行方不明に。その7年後、少女の現在の姿を外務省のホームページにアップし、9億円の身代金を要求。そして、「7年前に日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々の見守る中で日本人の誇りが砕け散るであろう」というメッセージを出す。この真犯人は誰か? バーズの真のリーダーは誰か? 右京がつきとめて行く。
この真犯人は太平洋戦争末期、トラック諸島に母と引き裂かれ一人残された少年だった。どうにか生き延びて19歳になり、日本国内の両親のふるさとにその生存を確かめるために訪れる。そこで彼は両親はおろか、自らも死亡した者として戸籍を抹消されていることを知る。祖国日本に深いうらみを持つリュウこそが真犯人で、バーズのリーダーだったのだ!「大勢の人が見守る中で日本人の誇りが砕け散る」とは、50万人を殺傷できる無差別テロを起こすことだったのだ。すんでのところで右京にさえぎられる。右京は「戦火で犠牲となったのは、どの命もかけがえのないものだ。あなたはそのことを身をもって知っている。たとえ裁かれる身であろうと、最後の時まで生きるべきだ」と。
リュウはそれでいいかもしれない。誘拐された美少女はこれからどのように生きて行くのか? 何もふれられていない。真犯人にたどりつくまで私は容易ではなかった。このような映画もテレビも見たことがなかったから。
ムッシュ高田は「すべての点が線で結ばれるとき救いきれない哀しみに出会う」と、書かれている。「えー? 救いきれない哀しみって、どんな?」それを知るためにそれを探しながら私はスクリーンを見ていた。 健生会の「試写室便り」には、「精選して送っている」と言われました。ありがたき幸せです。